#Uターン #地方フリーランス #HP制作 #Webデザイナー #20代 #古川
大崎市古川で生まれ育った菊地さん。
新卒で東京の会社に就職しましたが、運命の出会いがあり1年3か月で会社を辞め、鎌倉で念願だったゲストハウスの運営を行っていました。
その後、新型コロナウイルスの影響もあってUターンを決意し、現在は地元でフリーランスとしてWeb制作のお仕事に精力的に取り組んでいます。
Uターンを決めた経緯や地方でのフリーランス生活についてお聞きしました。
運命の出会いで念願だったゲストハウス運営へ
菊地さんは、中学校を卒業するまで大崎市古川で過ごしました。
その後宮城県内の高専へ通い、東京の会社へ就職しました。
当時2020オリンピックを控えていた東京では、観光客の受け皿となるゲストハウスが毎週のようにできていました。
海外からもたくさんお客さんが来るぞと、東京全体が盛り上がっていましたね。
その時は会社員で、オリンピックに関わる仕事をしていた訳ではありませんでしたが、ゲストハウスは楽しそうだなと思って見ていました。
というのも、高専時代に1年間フィンランドに留学して経験した楽しさが忘れられず、いつか海外の人と関わる仕事がしたいと思っていたんです。
そんな中、鎌倉にあるゲストハウスに泊まりに行ったのですが、宿のオーナーが代わりに運営してくれる人を探していました。
古民家をリノベーションしたそのゲストハウスは、風情ある雰囲気から海外のお客さんも多かったんです。
まさに運命の出会いでした。
すぐに「やりたいです!」と伝え、会社を辞めて東京から鎌倉へ引っ越しました。
忙しくも充実していた鎌倉での2年間
念願だったゲストハウス運営。スタッフは自分一人。
2部屋しかない小さなゲストハウスでしたが、
チェックイン・アウトの対応や予約の管理、掃除まですべて一人で行っていました。
平日も予約は常に埋まっていて休みは月に2日のみ。
朝から深夜まで忙しい日々を過ごしていました。
それでも8割方が海外からのお客様で、海外の方と関われていたのでとても刺激的で楽しかったです。
しかし、新型コロナウイルスの感染が拡大していた2020年4月、
1回目の緊急事態宣言が首都圏に発令され、3か月先まで埋まっていた予約がすべてキャンセルになりました。
いよいよこれからオリンピックで盛り上がっていくという矢先の出来事。
これまでずっと忙しかったのもあり、はじめのうちは「休みができた!」と嬉しかったのですが、だんだんとやることがなくなって気持ちが落ち込んでいきました。
人に会うこともできず悶々とした日々を送っていましたが、ふと運営していたゲストハウスのホームページが古くなっていたことに気が付きました。
学生時代から片手間でホームページ制作をしていましたが、時間がたっぷりあったので一から勉強し直し、本格的にスキルを身につけながら宿のサイトをリニューアルしました。
逆境をチャンスに
ホームページの制作に手応えと可能性を感じた菊地さん。
地元の人たちの役に立ちたいという思いもあり、Uターンすることを決心しました。
ホームページの制作は、やってみると楽しかったです。
そして、これを本業にしたいという思いが芽生えました。
実は、高専時代に地元でバイトをしていたのですが、いろんなところでホームページを作ってほしいという声を聞いていました。
当時はまだ簡単なものしか作れませんでしたが、今ならその人たちの声に応えられる、そう思いました。
そして早速、地元の知り合いを通じて大崎市にある「細峰ベース」というキャンプ場のホームページを作らせていただくことになったんです。
すると、それをきっかけに大崎市の方からホームページの制作依頼を次々にいただくようになりました。
コロナの影響がいつまで続くかまったく見通しがつかなかったこともあり、ゲストハウスの運営からは一度手を引こうと思いました。
逆に地元でホームページ制作の仕事をするイメージが見えたので、Uターンすることを決めました。
地元でのフリーランスという選択
移住するにあたって、創業支援を行っている「コワーキングスペースalata」や「おおさき移住支援センター」に相談しました。
思っていた以上にバックアップしてくださったり応援して下さる方がたくさんいて、とてもありがたかったです。
特にフリーランスは人のつながりがとても大切だと思っています。
都会にいるとチャンスは多いかもしれませんが、競合も多くチャンスを掴める可能性は必ずしも高くありません。
僕は地元に戻ってきて、たくさんの人が応援してくれてチャンスを与えてくれました。
そして、地方ではまだまだWeb活用の余地は大きいと思います。
だからこそ、地元で自分にできることはたくさんあると思うので、地元の人たちの役に立ちたいと思っています。
帰ってきて、空の広さに感動した
Uターンして仕事に全力で取り組む菊地さんですが、古川での“暮らし”は今改めてどう感じるのでしょうか。
古川に帰ってきて、空がとってもきれいだなと思いました。
東京ではビル群が、鎌倉では山が空を遮っていたのですが、こちらは平野で空を360°見渡せることに感動しました。
古川にはお店や居酒屋なども十分にあるので、不便だと感じたことはありません。
新幹線の駅もあって交通の便もよく、服を買いたいと思ったときは仙台に行ったりします。
気軽に行ける距離なのがいいですよね。
また、東京などに比べたら物価が安く固定費を下げられるので、フリーランスにとってはとても大きなメリットだと思います。
広い視野をもって地元に還元したい
地元に戻り、地元のためにと奮闘している菊地さん。
さらに地元の役に立つために、もう一度外の世界に揉まれに行きたいと話します。
コロナの影響もあって地元に戻ってきましたが、海外と関わりたいという思いは今もあります。
特に今は中国の成長が凄まじく、Webを使ったマーケティングは勉強になることが多いです。
中国ではネットで商品を売ることが当たり前で、農家が自分で作った動画を活用してりんごを売ったりしているんですよ。
だから、中国など海外に行って勉強してきて、それをいずれは地域に還元できたらと思っています。
また、僕よりも若い中学生や高校生などはSNSの使い方がとても上手。
何てことのない風景を切り取って魅力的に発信したり、影響力の大きい動画を作れてしまいます。
彼らの方が得意なこともたくさんあると思うので、
“教える”というスタンスではなく、一緒に面白いことに取り組んでいきたいです。
魅力的な素材は地域にたくさん眠っていると思うので、それらを発掘、発信して、若い世代で盛り上げていきたいと思っています。
「これだ!」と思った時の瞬発力と行動力で自分の道を切り開いている菊地さん。
2022年1月には法人化し、さらに活動の幅を広げています。
ご自身も20代とお若いのに、さらに若い世代のことまで考えているとは、とても頼もしいですね!
今はなんと、養蜂にチャレンジしようと思っているとのこと。
次々と新たな挑戦をして地域に刺激を与えてくれる菊地さんに今後も目が離せません。
●菊地さんが代表を務めるSHIPS INT’L株式会社のホームページ
https://shipsintl.com/